波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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「ユートピア?」あうるすぽっと

作・演出:平田オリザ、アミール・レザ・コヘスタニ(イラン)、シルヴァン・モーリス(フランス)、出演:ひらたよーこ、古屋隆太、井上美奈子ほか
フェスティバル/トーキョー
3/29(日)昼の部を観た。これにてフェスティバル/トーキョー09春は終了。生活密着型演劇とはちょっと違う感じの芝居をたくさん観られて、なかなか良かった。池袋では祝祭感もあったし。
日本・イラン・フランスの3人の作・演出家と、それぞれ3人ずつの役者による芝居。プロローグ・エピローグと、物語である前半、メタ演劇である後半に分かれていて、異文化コミュニケーションを描く。前半の物語は平田オリザらしい、知らない人たちの遠慮がちな会話。美しい掌編だと思う。後半のメタ演劇はその舞台裏。断片で差し込まれるのはその芝居に向けられる外部からの音? 言葉が分からないというよりは目的が分からないという異文化コミュニケーションのずれは深く同意した。多分まさにその理由により、ところどころ意味不明なところもあったが、断片の構成にしてはよくまとまっていて、企画としては面白かった。プロローグ・エピローグはまた少しテーマが違うようだったけど。演劇が役に立つという希望は無理なんじゃないだろうか。