波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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「赤鬼」東京芸術劇場小ホール2

芸術監督就任記念プログラム アジア共同制作
原作:野田秀樹
翻案・演出:プラディット・プラサートーン
出演:マカムポン・シアターグループ、タイ伝統楽器演奏楽団

2009.11.21.(土)夜公演を観た。

タイの演劇グループによって「リケエ」というタイの大衆演劇の形式で演じられる「赤鬼」。
すぐ歌になり舞ったりするのがアジアの大衆演劇っぽくなじみやすい。
様式への戸惑いは、日本の観客の想像の及ぶ範囲をきちんと把握してリードしていて、「よく分からない」という意味での外国感は全くなかった。

戯曲がシンプルでしっかりしているので、どうやっても同じ芝居になるという感想を持った。
改めて重層的に深みや共感を感じるつぼがある戯曲に感銘を受けた。

この芝居は座組ごとに一番いい役者が変わるのが面白いところ。
富田靖子の「あの女」、今回演出の人の前々回タイバージョンの「水銀」、今回は「とんび」にあたる役のサラユット・ペーッサムリットが良かった。

衣裳は華美できれい。役と関係ない美しい衣裳が、案外それぞれの役にぴったりなのも面白かった。

「赤鬼」役のアヌクーン・ロージャナスックソンブーンの所作が美しい。

舞はバリともつながっているものを感じた。