波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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シス・カンパニー「ペッジ・パードン」世田谷パブリックシアター

(ネタバレ有りです)
作・演出:三谷幸喜、出演:深津絵里大泉洋野村萬斎ほか
6/12(日)に観た。立見も出て盛況。知り合いにも会った。夏目漱石のロンドン留学時代を題材にした作品で、またどれだけホントの話なんだかという感じの話。有名な人の場面設定を借りると観客の持つイメージが動員できるという作戦なんだろうか。原作は森鴎外の「舞姫」って感じ。
今年の三谷作品は同パターンが続いているが、役者の点ではこの作品が一番面白かった。落語のような語り分けや、早変わりなど、役者の達者さをこれでもかと見せる。浅野和之が大活躍、深津絵里もさすがだった。大泉洋は舞台で初めて観たがとても喜劇向きでいい役者。これら芸達者ぶりを殊更に発揮している役者達と少し位相が違うように、野村萬斎はふらっと立っていた。多分そういう役作りなのだと思うが、異質感が出ていて面白かった。ちょっと「世界のナベアツ」に似てる?
喜劇感もドラマもあって楽しい舞台だったが、歴史に話を戻そうとするラストにちょっと無理矢理感を感じた。久々に1階5列目という良席だったが、役者の顔や舞台装置までよく見えて堪能した。やっぱりしっかり見ないとね。