作・演出:三谷幸喜
出演:竹本千歳大夫、豊竹呂勢大夫、鶴澤清介ほか
「三谷文楽『其礼成(それなり)心中』」2012.8.15.(水)のマチネ。
文楽の新作を書いてみた、ということらしい。
近松門左衛門の同時代にヒット作に振り回される人々を描き、近松作品を引用しつつそれっぽい作品になった。
感想が難しいのは、そこそこ面白かったこと。
三谷作品としては大爆笑とはいえないし、精一杯だった感じは否めない。
近松物だと「近松心中物語」という名作がちらついてしまう(というよりそれでしか知らない)ので、劇世界の迫力不足を感じてしまった部分もある。
それでも、ちゃんと文楽っぽくなったのはすごいんだろうと想像します。
一方で、企画としては良かったと思う。
文楽にあまりなじみがない人間にとって、人形が後ろの黒子と同様の生身の俳優に見えて、台詞もだんだん人形から聞こえてくるのが、すごかった。
文楽紹介企画としては秀逸。これで歌舞伎のように他の劇作家も参入するかな?