波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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SPAC「顕れ〜女神イニイエの涙〜」静岡芸術劇場

  • 作:レオノーラ・ミアノ
  • 翻訳:平野暁人
  • 上演台本・演出:宮城聰
  • 音楽:棚川寛子
  • 出演:美加理、鈴木陽代、阿部一徳ほか

2019.1.27.(日)14時の公演を観た。インタビュー記事と新聞の劇評を見て、どうしても美加理が見たくなって急遽静岡に。一般公演は土日祝マチネのみだが、平日に中高生鑑賞事業をやっていて、一般販売がある日もあるらしい。

東京駅から新幹線を使わなくても片道3時間ちょっとで3000円強。チケット代4100円と合わせて合計1万円ちょっと、というのは、最近のチケットの高額化を考えると、充分に芝居1本分の値段ではある。電車に乗ってる時間はちょっと長いなあ。面白くないと確実に寝ると思う。渋谷からバス片道1000円というのもあって気になるがこの日は設定なし。

「顕れ〜女神イニイエの涙〜」はアフリカの奴隷貿易の話。奴隷貿易に協力したアフリカ人に罪を告白させるという内容だが、神様と魂しか出て来ないので、生々しい告発ものでは全くない。輪廻転生の感じが日本と近しく、仏教の世界のように感じた。神様イニイエの動きが美加理、声が鈴木陽代で2人1役。下半身が全くぶれない美加理が神々しい。去年の歌舞伎の「マハーバーラタ」を彷彿とさせる。転生する魂のマイブイエたちは衣装も雰囲気も可愛らしくて魅力的。内容も、自分の国を守ろうとして奴隷貿易に加担してしまった王など、告発される側を赦す、救済の物語だった。つらい人間生活もまとめて癒やそうとする、高いレベルの癒やしのメッセージを、語りからも視覚からも受け取った。音楽はいつも通りSPACの役者が代わるがわる演奏していて、割と明るい元気な音楽。空気を軽くするのに貢献している。

公演前にはプレトーク、公演後はこの日はバックステージツアー。予約しなくても問題ない。どうして!カメラを持たずにバックステージツアーに行ってしまったのか、大後悔だが、美加理と差し向かいでお話! 正確には10人くらいで取り囲んだうちの一人だが。近くで見ても美しい。今回の遠征の主目的の美加理を見たい!がたっぷり充たされて大満足。

劇場階段から富士山が見えます。f:id:namiuchigiwa:20190127184042j:image

 

SPAC「寿歌」2018年4月公演記事はこちら。

namiuchigiwa.hatenablog.com