波打際の舞台日記

演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いていこうと思います。

NODA・MAP「『Q』: A Night At The Kabuki」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出・出演:野田秀樹
音楽:QUEEN
出演:松たか子上川隆也広瀬すず、志尊淳ほか

2019.11.10.(日)NODA・MAP「『Q』: A Night At The Kabuki」を観た。

ちょっと注意が必要な終演時間・当日券・本人確認

19時開演、終演は22時頃。休憩込みで普通に3時間なのだが、ソワレは22時終演なので、食事や翌日などちょっと準備しておいた方がいいかも。

東京芸術劇場プレイハウスは満員。当日券は半立見でちょっとした椅子ありのようだった。当日券は窓口販売のほか、数日前のWEB販売もあるようだ。

入場時には運転免許証などでの本人確認を実施していた。入口で若干あたふた。

『Q』はクイーンのアルバム「オペラ座の夜」の世界

「『Q』: A Night At The Kabuki」はQUEEN(クイーン)のアルバム「A Night At The Operaオペラ座の夜)」からインスピレーションを受けたとクレジットされている。

ボヘミアン・ラプソディ―」の映画がヒットしてブームになっているクイーン。

映画の余韻の中での公演となったが、2年ほど前にクイーンの周辺から「オペラ座の夜」の演劇性を演劇にできないかという打診があったとのこと(チラシより)。

全面的にアルバムの曲を使って世界観を展開した舞台だった。

 

クイーンの音楽を改めて聞くと、過剰にロマンティック。思わず「浪漫主義」と言いたいくらい。

重層的な音でメロディーを奏で、サウンドもオーバーに表現するし、歌詞も死とか狂気とかをすぐ口にする。

そんなところが、ストーリーの中心になる幼すぎるメロドラマの「ロミオとジュリエット」にぴったりだった。

(写真から下にネタバレあり)

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(ロビーに展示された舞台の模型)


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篠山紀信撮影の巻頭特集は、『Q』の舞台稽古の写真。
「立ち読み」でも役者の勢いが感じられる写真が楽しめる。

ストーリーは「ロミオとジュリエット」の後日談 x 平家物語

ストーリーはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の後日談。舞台設定は平家物語の世界で、エピソードもいろいろ掛け合わせてある。

流刑地からの赦免船に乗れなかった「俊寛」の話が印象的に使われている。

「A Night At The Kabuki」とあるが、歌舞伎要素はなし。単に「A Night At The Opera」の置き換えだろう。

露悪とか死とかにすぐ走るのは歌舞伎的ではある。

ちなみに「Q」QueenのQ。

 

意外に元の「ロミオとジュリエット」のストーリーをたっぷり見せた。

主役は若いロミオとジュリエットと、それから数十年経ったロミオとジュリエット

松たか子上川隆也の「その後」のカップルが素晴らしく、若者カップルは少し見劣りがする部分もあるが、若く美しい記憶の配役として、うまくカバーされていた。

アルバムを聴いてみて感じた展開の必然

ロミオとジュリエットが死ななかったらというその後の物語になったあたりから、野田秀樹得意の言葉の地滑り、というか関連付け、というか、ダジャレの発想で、戦争と無名戦士の話になる。

シベリア抑留の話は、正直印象が強すぎて、全部持って行かれてしまったという感想だった。

ラストはドキッとしたし、終わった後も心拍数が上がって興奮状態で、芝居としてはもちろん良かったのだが、それだけ自分の野田秀樹に対する期待度が高いのだ。

シベリアは必要だったのかな、としばらく考えていて、霧が晴れたのは翌日。

 

あまりに気になってクイーンのアルバム「オペラ座の夜」を聞いてみた。

オペラというかミュージカルのような音楽に、雰囲気の違う掌編が挟まるところとか、確かに演劇性がある。

アルバムを聞くと、「Q」の舞台はこのアルバムからインスピレーションを得て作られたんだということがよく分かる。

ストーリーの多くの部分は「ボヘミアン・ラプソディ―」やほかの曲の歌詞や音楽のイメージから構成されているように思う。

だから行く先はボロボロというイメージも欲しかったのだろうと思った。

ボヘミアン・ラプソディ―」をもう一度聴いてみる

ちなみに、終演後「ボヘミアン・ラプソディ―」の曲が頭の中で回り続けることは確実。

舞台を観た後に歌詞を読んでアルバムを聞くと、舞台理解が深まるのでお勧めです。

アルバムのリンクを貼っておきます。


オペラ座の夜

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当日配布のパンフレットが抜群

もう一つ、当日パンフレット(無料で配られるもの)が素晴らしかった。

カバーは、チラシデザイン。和風テイストと可愛らしい目のイラストに、不気味な出演者の写真がうっすらと見えるデザインが抜群にいい。

パンフレットのタイトルデザインは海外のミュージカルでもらう冊子みたい。

厳選されたチラシが冊子になっているのは、見やすいけど、チラシを活用している人(自分)には扱いにくいな。少数派だろうけど。

クイーンのアルバム「A Night At The Opera」の情報が丸ごと1ページ紹介されていて、これもアルバムとの密接な関係を教えてくれた。

 

過去の記事もよろしければご覧ください。

namiuchigiwa.hatenablog.com