東京芸術祭2022
作:ゲオルク・トラークル
演出:宮城聰
出演:美加理
2022.10.15.(土)16:30開演の部で、SPACー静岡県舞台芸術センター『夢と錯乱』を観た。
なんと最前列で、目の前にいる美加理に緊張気味。海外の少年の人形みたい。
美加理の一人舞台で、1時間、トラークルという詩人の詩の言葉を語り、演じる。言動一致(語る人と動く人が一緒)とはいえ、speakerもmoverも一人でこなしているという方が近かった。
詩の言葉は別の人が語っているように感じるほど別の次元にあって、動きが詩の内容に連動していると感じた。ある意味ダンスみたい。でも言葉がある分だけ理解にやさしい感じがあった。
夕方から夜の時間を感じさせるものすごく薄暗い舞台で、外の自然の生命を羨む。自意識と思考の強い呪縛を呪う言葉は、遠く思春期になじんだ感覚ではあるのだけれど、そんな既視感をふっとばすような強度の強さだった。のたうち回るってこういうこと。
落ちていく、苦しんでいるリアルを感じてとことん引きずり込まれることでしか浮かび上がれない、そんなことを思い出させる舞台だった。
物置きのように物が置かれているだけの東京芸術劇場シアターイーストの舞台は小さく、舞台の天井は高く、天井からは本当の空が見えるような気がした。
もう1回昔引きずり込まれた作品を開いてみたくなった。
過去作品の感想はこちら。(いろいろ修正しました。人名の誤記が多く本当に申し訳ありません)