波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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SPAC-静岡県舞台芸術センター『グスコーブドリの伝記』(配信)

演出:宮城聰
作:宮沢賢治
脚本:山崎ナオコーラ
音楽:棚川寛子
出演:美加理、阿部一徳、本多麻紀ほか

2026.9.5. SPAC-静岡県舞台芸術センター『グスコーブドリの伝記』を「THEATRE for ALL」の配信で観た。

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宮沢賢治の小説を山崎ナオコーラの脚本で上演した作品。冷害に火山の噴火、日照りと、次々に森や田畑の暮らしを襲う災害に、人の力で立ち向かいたいという宮沢賢治の祈りを感じる作品だ。

宮沢賢治が自分を投影した憧れであろうグスコーブドリのみ俳優(美加理)が直接演じ、ほかは俳優が黒子として人形を操りながら、人形劇のように演じた。台詞と動きは同じ人。グスコーブドリも子どもの頃は人形っぽく、ある意味言動分離な感じがする。童話的な世界が表現されて、舞台の世界に入りやすかった。上演された2015年当時はまだ独特な節回しが健在。

話には、イーハトーブや兄妹、賢治の思想など、宮沢賢治の世界を象徴する内容がたっぷり入っていた。災害が続く様子が、昭和初期の東北地方の様子と思われ、また地震や大雨が続く近年、他人事ではないと感じる。かといって天災に終わりはないということも分かっている。

舞台では未来は次の人がなんとかしてくれるという希望が静かに美しかった。

「THEATRE for ALL」はアクセシビリティ対応(音声ガイドや字幕など)で多くの人が楽しめるようにした公演映像の配信を行っている。この作品も、日本語のバリアフリー字幕付きや、手話、音声ガイド付きのバージョンがある。その中からオリジナル版(アクセシビリティなし)を観たのだが、飛行機内だったのでエンジン音が大きく、静かな台詞が聞き取れずに自動生成の字幕で見る羽目に。バリアフリー字幕版で観たかった(用意しておけば良かった)。

映像は1時間43分。