波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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野田秀樹 の検索結果:

NODA・MAP「兎、波を走る」東京芸術劇場プレイハウス

…型 作・演出・出演:野田秀樹出演:高橋一生、松たか子、多部未華子ほか 2023.7.14.(金)NODA・MAP「兎、波を走る」を東京芸術劇場プレイハウスで観た。A席2階サイドの席だが見切れなし。 公演時間は休憩なし2時間10分。 当日券と思われる列が東京芸術劇場の2階にぐるっと端までできていた。 (以下、中心となる題材のネタバレなしで感想だけ書きます) NODA・MAPの公演はここ10年くらいずっと、過去の戦争や事故、実際の人物などを題材にしてきた。 前回「フェイクスピア」…

「天保十二年のシェイクスピア」(映像上映)、「堀尾幸男 舞台美術の記憶Ⅰ」PARCO劇場

…谷幸喜作品を中心に、野田秀樹作品や、中島みゆきの夜会まで。 どどーっと記憶が出てきて、あれも見た、このラストすごかった、と写真を撮る手が止まらなくなってしまった。 面白かったのが2020年に上演された「大地」の舞台模型。コロナで変更する前のプランの模型があった。これが普通だろうな。ある意味Social Distancing Versionの方が斬新で面白かった。 「大地(初期プラン)」舞台模型 (「堀尾幸男 舞台美術の記憶Ⅰ」より) 「大地(Social Distancing…

「東京キャラバン the 2nd」池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター

…ーバルリング 演出:野田秀樹出演:前田敦子、浅草ジンタ、REG☆STYLEほか 公開プレビューを見て 2022.12.16.(金)「東京キャラバン the 2nd」を公開プレビューで観た。公開プレビューの2回目。3回あるパフォーマンスは抽選が外れたので、当日先着順のプレビューはありがたかった。座席500人くらいの半分強が入っていて、出演者の知り合いが多めな感じかな? 12月の野外劇場、天気が良くて日向だと暖かかったけど(でも13℃)、真冬仕様の服装でも地面から冷えが伝わってき…

NODA・MAP「フェイクスピア」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出・出演:野田秀樹出演:高橋一生、橋爪功、白石佳代子ほか 2021.7.7.(水)マチネでNODA・MAP「フェイクスピア」を観た。 ネタバレして良いことはなにもない作品なので、具体的なことは書かない。でもこれから見る人は、多分遠回しな感想も読まない方が楽しめるので、まっさらな状態で劇場に向かうことをおすすめする。 上演時間は2時間とちょっと。休憩時間はなし。 当日券も出て、東京芸術劇場プレイハウスは超満員。客席が揺れてる?と感じるほど。A席で2階サイドだったけど、見切…

「赤鬼」(配信)

作・演出:野田秀樹出演:東京演劇道場のメンバーら Aチーム木山廉彬、夏子、河内大和、森田真和ほか 2020.11.14. YouTube「芸劇チャンネル」の無料配信で観た。 東京芸術劇場シアターイーストで2020.7.27.に上演された映像で、英語字幕付き。1時間38分。 「赤鬼」はタイやロンドンなどいろんなバージョンで再演を繰り返してきた作品だ。 よそもの・異物を排除する共同体、異文化間のコミュニケーションの根本的な難しさ、などの普遍的なテーマを描く。 シンプルな構造で、野…

「東京キャラバン in 北海道」(ライブ中継)

…配信で中継された。 野田秀樹が構成・演出ということで、とても楽しみにしていたのだが、配信の(送信側もしくは受信側の)トラブルで全部は見られなかった。 全編動画配信を期待しつつ、記録だけしておくことにする。 朗読の後の部分が見られなかったので、感想は断片に対するもの。 この日のメインキャストは木村カエラ。歌や朗読で求心的な役割を果たしていた。 それに、アイヌ古式舞踊、琉球舞踊、江差追分、男鹿のなまはげがクロスオーバーしながら交じり合った。アイヌ古式舞踊の歌のフレーズがとてもやさ…

NODA・MAP「『Q』: A Night At The Kabuki」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出・出演:野田秀樹音楽:QUEEN出演:松たか子、上川隆也、広瀬すず、志尊淳ほか 2019.11.10.(日)NODA・MAP「『Q』: A Night At The Kabuki」を観た。 ちょっと注意が必要な終演時間・当日券・本人確認 19時開演、終演は22時頃。休憩込みで普通に3時間なのだが、ソワレは22時終演なので、食事や翌日などちょっと準備しておいた方がいいかも。 東京芸術劇場プレイハウスは満員。当日券は半立見でちょっとした椅子ありのようだった。当日券は窓口販…

「東京キャラバン in 秋田」(ライブ中継)

…。今回の演出・監修は野田秀樹。男鹿のなまはげ、秋田の竿燈など、いかにも秋田の芸能も目玉に置きつつ、音楽の舞台だった。アコーディオンと歌のチャラン・ポ・ランタンの憂いのある東欧っぽいマイナートーンが、邦楽の曲調とよく合う。そして一番存在感があったのは熊谷和徳のタップダンス。車のライトやウィンカーなどと音をDJみたいに操る宇治野宗輝(これもすごかった)とコラボして車の上でタップしたかと思うと、タップで音楽を演奏したり、笛や三味線と合わせたり。タップシューズって楽器なんだと思った。…

「東京キャラバン in 京都・二条城」(ニコニコ生放送)

演出:野田秀樹 出演:中納良恵、松たか子、Atoa.ほか2017.9.3.(日)19時から20時、「東京キャラバン in 京都・二条城」の生中継を観た。 二条城の広場での上演。京都ということで、芸妓・舞妓x村田製作所の球乗り型ロボットのかわいらしい踊りからスタート。異分野の組み合わせが明確に打ち出されていて、ポップスx能(津村禮次郎)・三味線、祗園囃子x現代人・和太鼓、弦楽六重奏x和楽器と組み合わせで見せて、甲冑を付けた青柳美扇の書のパフォーマンス「魂」で朗読とパフォーマンス…

八月納涼歌舞伎 第三部「野田版桜の森の満開の下」歌舞伎座

…品集より 作・演出:野田秀樹 出演:中村勘九郎、中村七之助、市川染五郎ほか2017.8.13.(日)かたつむりと出掛けた。新しい歌舞伎座は初めてでテンションが上がる。しかも1階。花道が全部見えるというのは余韻が楽しめて嬉しい。作品としては何度目かの再演で、時間もたっぷりある(休憩20分含めて約2時間半)だけに、分かりやすく馴染みやすくする工夫が盛り込まれていた。今回3回目にして初めて筋が分かった気がする。閻魔と鬼がしっかりした衣装で、しかもたくさんなのがスゴイ!金掛かってる!…

NODA・MAP「『足跡姫』〜時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)〜」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出・出演:野田秀樹、出演:宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太ほか1/22(日)マチネを観た。サイドシートだが、花道以外は見切れなし。歌舞伎の生まれる直前を舞台に、肉体の芸術を支える魂や、それを受け継ぐということを語る。中村勘三郎へのオマージュということは聞いていたし、割とダイレクトなのでそのつもりで観ていたが、亡くなって十八世という歴史的符号の付いた存在になったんだなあと、はっとした。テーマ先にありきで構成はこなれてない感じだったが、熱い思いが伝わってきた。足跡は東京キャラバ…

六本木アートナイト &「東京キャラバン in 六本木」

…ン in 六本木」。野田秀樹プロデュース。30分前に行ったら立ち見の整理券も終わっていて、カメラ席の後ろから観た。東京スカパラダイスオーケストラの演奏に続いて、金津流獅子躍などの和物やリオからのダンサーが現れる。ペイントや宮沢りえの朗読など、ジャンルいろいろの出し物が混ざっていく。去年の試演からあったものは3つ位?で、楽しみやすく進化していて、作っていく過程が少し見えたような気分。音楽を強化したことで祝祭感が強く出た。すずめ踊りの人たちが楽しそうにスカで踊っていたのがシンボリ…

NODA・MAP「逆鱗」東京芸術劇場プレイハウス

…り 作・演出・出演:野田秀樹、出演:松たか子、瑛太、満島真之介ほか 2/28(日)昼の部をかたつむりと観に行った。多分正式タイトルは漢字が部分的にひっくり返っている。サイドシートで見切れが若干あり。水族館と鵜飼と邪悪な人魚の話かと思いきや、先の戦争の話に急旋回。完全に太平洋戦争の話だった。戦争というものの避け難い命令の絶対性や、死の苦しさなど、場面に落とし込んだ具体性はよくできているし、後を引く重さは質・強度ともにすごかった。が、これだと前半の水族館と鵜飼の話が前ふりでしかな…

SPAC-静岡県舞台芸術センター「真夏の夜の夢」にしすがも創造舎

…ェイクスピア、潤色:野田秀樹、演出:宮城聰、音楽:棚川寛子、出演:渡辺敬彦、池田真紀子、本多麻紀ほか 11/1(日)に観た。役者が演奏する楽器のリズムに乗って進行する音楽劇。宮城聰の台詞の音へのこだわりが音楽に向かっているらしい。独特のキメを用いる動きが妖精や悪魔で活きている。テンポはもっとバリエーションがあるといい。話のせつなさは横に置いて、リズムに乗って祝祭色の強い舞台だった。ポスト・パフォーマンストーク、バックステージツアーもあってたっぷり4時間。スタッフの説明が好感度…

モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」〜庭師は見た!〜新演出 東京芸術劇場コンサートホール

…督:井上道義 演出:野田秀樹 管弦楽:読売日本交響楽団 出演:ナターレ・デ・カロリス、テオドラ・ゲオルギュー、小林沙羅ほか2015.10.25.(日)3階B席で観た。モーツァルトのオペラは初めて。 物語は前近代の下世話な色話で構成としてもこなれない。そんなダメ話を歌っているのにメロディはむやみと美しいという感想。 作曲家としては確かに天才かもしれない。 オケも歌手も良かった。野田秀樹の演出の方は、舞台を長崎にして、日本語・原語ちゃんぽんにしたところが出色の出来。 外国人歌手に…

「東京キャラバン」公開ワークショップショーケース 駒沢オリンピック公園特設会場(軟式野球場)

監修:野田秀樹、監修補佐:日比野克彦、美術・空間構成:名和晃平、出演:松たか子、宮沢りえ、津村禮次郎ほか 10/10(土)18時頃から約1時間。招待席の申し込み期間後に気付いたので後方で立見で観た。公開ワークショップとはいえ観客は500人以上、プレスも関係者も一杯で、立派なものだった。出演者も贅沢だし。「東京キャラバン」は東京オリンピックに向けてリオデジャネイロを皮切りに各地を巡回して東京を目指していくという公式プロジェクトで、この日はそれがどんなものかを示す舞台。どこを交換…

「半神」東京芸術劇場プレイハウス

…尾望都、脚本・演出:野田秀樹 10/26(日)昼の回を観た。A席2階。韓国語上演で、日本語イヤホンガイドが配られた。夢の遊眠社時代の作品なので、膨大な台詞量と言葉遊びが満載で、この台詞を朗読で聞かされるのは正直つらい。とはいえ韓国語じゃ何してるか分からないし・・・。冒頭のシーンでこの芝居を観たことがあることがくっきり思い出された。鮮烈な印象を持つ芝居。美しいイメージの連鎖に酔いました。10ヵ月後、シュラはどこに向かうんだろう? と半日ぐるぐる思い悩み。この喚起力が演劇には欲し…

「障子の国のティンカーベル」東京芸術劇場シアターイースト

脚本:野田秀樹、演出:マルチェロ・マーニ、出演:毬谷友子、野口卓磨 2/15(土)夜の回を観た。野田秀樹25歳の作品で、コンプリシテのマルチェロ・マーニが演出、毬谷友子がやりたいと言い出したらしい。基本的には女優の一人芝居で、ピーター・パンになったりティンカーベルになったり。毬谷友子バージョンはぐっと母を感じさせたが、奥村佳恵バージョンはきっともっと若い混乱が前面に出たのかな?せつない喪失の物語だった。椎名林檎の既存の曲がびっくりするほど歌詞に乗って、半音のマイナーコードがよ…

NODA・MAP「MIWA」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出・出演:野田秀樹、出演:古田新太、宮沢りえ、瑛太ほか 10/20(日)昼の回を観た。美輪明宏の生涯を描く。生きている人だし取材もしているので、本人はどう思うんだろうとか事前に見せたんだろうかとか余計な心配をしてしまうが、嫌味なところはない一代記。長崎出身ということで、作家の長崎へのこだわりが前面に出た。美輪役は宮沢りえと古田新太の二人羽織。まさに配役の妙で、嫌らしい感じの出ない宮沢と、この体からならあの声が出そうと思える古田で、違和感を感じさせなかった。要所に本人と思…

「おのれナポレオン」東京芸術劇場プレイハウス

…出:三谷幸喜、出演:野田秀樹、天海祐希、山本耕史ほか2013.4.21.(日)昼の回を観た感想。2階LB列1番はサイドの一番前で、今回の縦長の舞台の作り(写真はロビー展示のジオラマ)では見切れもなく、近くて良かった。立見を含め当日券あり。話はナポレオン・ボナパルトの死因に関するミステリー。悪ふざけかと思いきや意外にシリアスだった。野田秀樹ほか俳優の印象とぴったりあった当て書きで、それぞれが強い磁場を作っていた。いつもの三谷作品とは違う(もちろん野田作品とも違う)空気が流れてい…

NODA・MAP「エッグ」東京芸術劇場プレイハウス

作・演出:野田秀樹、出演:妻夫木聡、仲村トオル、藤井隆ほか 10/21(日)昼公演を観た。立見も出て盛況。今回の目玉は椎名林檎の音楽で、深津絵里の歌は割と存在感があった。エッグという新しいスポーツを考案したのも楽しかった。「スポーツと音楽」と銘打っているがもちろんスポーツと音楽は道具立てで、大衆の熱狂の流れる先がテーマだった。テーマは「農業少女」と同じだが、煽らず、歌い上げず。寺山修司を今持ち出してきたのは何故なんだろう。伝わらないことに対する焦りみたいなものを感じた。 東京…

「としま文化フォーラム100回記念特別講演会」豊島公会堂

講演:野田秀樹、近藤良平 5/7(月)18:30から1時間半。豊島区が開催している「としま文化フォーラム」が100回になったのを記念した特別回で、塾長の小田島雄志、高野区長によるセレモニーもあった。小田島雄志のスピーチは駒場時代の夢の遊眠社まで遡って、演劇好きなのを窺わせて面白かった。対談は打ち合わせしていない感じでとりとめなく、「としま文化フォーラム」の常連さんには不満だったのでは。準備してあったのは2人が公演中の「THE BEE」の昔のビデオで、短いシーンで見せるので分か…

NODA・MAP「南へ」東京芸術劇場中ホール

作・演出・出演:野田秀樹、出演:妻夫木聡、蒼井優、渡辺いっけいほか 3/26(土)夜公演を観た。チケットを取っていた公演が地震で中止になったので当日券に並んだ。2時間前に着いたけど余裕だったよう。内容はなんでか火山の噴火の予知が題材で、時節柄開演前に念入りに説明していた。結果的にとてもタイムリー過ぎて胸が痛む。本題は野田秀樹が追い掛けてきた、天皇制や世間のムードについての集大成のような作品で、最近の傾向通りに割と露骨。それでも重要な部分に跳躍があるので、謎な感じが残った。 主…

NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」東京芸術劇場小ホール1

作・演出・出演:野田秀樹、出演:中村勘三郎、太田緑ロランス 9/19(日)昼の公演を観た。娘役はダブルキャストで見た目は随分印象の違う二人のうち、ハーフっぽい人の方だった。 父が中村勘三郎、母が野田秀樹、娘役、そしてピナ・バウシュという犬(どういう意図で名前を付けたのか不明だった)の家族の芝居。心配したほど内輪受けな感じはなく、けれどやっぱり俳優の力勝負な芝居で、手抜きない勝負感がとても楽しめた。どこまでアドリブなのか、たとえ脚本に書いてあってもその回で随分印象が違うんじゃな…

NODA・MAP「ザ・キャラクター」東京芸術劇場中ホール

作・演出・出演:野田秀樹出演:宮沢りえ、古田新太、橋爪功ほか2010.7.25.(日)昼公演をかたつむりと観た。2階の最後列だが見切れなし。すでに劇評で出ている範囲で書くと、オウム真理教の事件を扱った作品。仏教の代わりにギリシア神話をコラージュしているが、ものすごく具体的に実際にあった事件の話だった。約15年経って、今扱わないといけないと思った作家の理由も興味があるが、私にとっては、閉鎖社会の中で暴走する物語の話だった。多分どの宗教でも、そして戦争などの場面でも、閉鎖社会では…

「農業少女」東京芸術劇場小ホール1

…任記念プログラム作:野田秀樹 演出:松尾スズキ 出演:多部未華子、山崎一、江本純子、吹越満2010.3.6.(土)夜の公演をかたつむりと観た。10年前の深津絵里、野田秀樹、松尾スズキ出演の舞台も観ていて、作品としては2回目。戯曲は観念先行のやや生硬な内容なので、野田ワールドから外した今回の演出の方が膨らみがあって楽しめた。演技に隙があるのが効を奏した感じ。といっても男性2人はこれ以上ない器用な役者なので、多部未華子のキャスティングが大きかったか。まずまず良かったし、世界にうま…

「赤鬼」東京芸術劇場小ホール2

…ジア共同制作 原作:野田秀樹 翻案・演出:プラディット・プラサートーン 出演:マカムポン・シアターグループ、タイ伝統楽器演奏楽団2009.11.21.(土)夜公演を観た。タイの演劇グループによって「リケエ」というタイの大衆演劇の形式で演じられる「赤鬼」。 すぐ歌になり舞ったりするのがアジアの大衆演劇っぽくなじみやすい。 様式への戸惑いは、日本の観客の想像の及ぶ範囲をきちんと把握してリードしていて、「よく分からない」という意味での外国感は全くなかった。戯曲がシンプルでしっかりし…

「『ザ・ダイバー』日本バージョン」東京芸術劇場小ホール1

作・演出・出演:野田秀樹、出演:大竹しのぶ、渡辺いっけい、北村有起哉 9/6(日)マチネでかなえちゃん&ファミリーと観た。350席位の劇場で、多分見られたのはラッキー。日本人が日本語で演じるからか演出の変更か、ロンドンバージョンより物語が分かりやすい。分かると海女のシーンの美しいだけではない切なさが押し寄せてくる。大竹しのぶを初め、動きは抑え目。その分渡辺いっけいの動きが過剰に見えるが大きな傷ではない。 どう公平に裁こうと法というルールの上では彼女は有罪だろう。数え切れないほ…

NODA・MAP「パイパー」シアターコクーン

作・演出:野田秀樹、出演:松たか子、宮沢りえ、橋爪功ほか 1/11(日)ソワレをかたつむりと観た。D列でかなりいい席。 千年後の火星の話だった。主役の女優2人という贅沢な配役で、ソロのオン・ステージではないアンサンブルの良さを堪能。宮沢りえはいつもの宮沢りえの役だったけど、松たか子はその役の人だった。舞台装置は至って簡素で、コンドルズの扮するガタイの大きなロボット群、大学生のコロス(歌わないけど)も含めて、人で動かす舞台だった。ものがなくても全員が言葉と動きで世界を描き出せる…

「The Diver」シアタートラム

現代能楽集IV 作・演出・出演:野田秀樹、出演:キャサリン・ハンター、ハリー・ゴストロウ、グリン・プリチャード 10/12(日)マチネを観た。タイトルは訳すと「海女」。キャサリン・ハンターが演じる海の中に潜っていくイメージが豊かだった。源氏物語をコラージュしてあって、前半の挿話がイメージ以上につながるのかはよく分からない。イメージとしては一貫して男の身勝手とだまされ続ける女。観る人の倫理観や状況で随分印象が違うかもしれない。責任は犯人である彼女にのみあるのだろうか、と思った。