作・演出・出演:野田秀樹
出演:宮沢りえ、古田新太、橋爪功ほか
2010.7.25.(日)昼公演をかたつむりと観た。2階の最後列だが見切れなし。
すでに劇評で出ている範囲で書くと、オウム真理教の事件を扱った作品。
仏教の代わりにギリシア神話をコラージュしているが、ものすごく具体的に実際にあった事件の話だった。
約15年経って、今扱わないといけないと思った作家の理由も興味があるが、私にとっては、閉鎖社会の中で暴走する物語の話だった。
多分どの宗教でも、そして戦争などの場面でも、閉鎖社会ではその社会の要となっているものに異を唱える人には寛容ではいられない。
きっと引き際なんてものはない。社会が閉じていくのを敏感に察知して逃げ出すなんてことは可能なんだろうか。
そして、具体的な記憶にある事件を扱うため、とても理解しやすい芝居という感想だった。
事件の話、でまとめられるきらいはあるけれど、伝えるための情報のプラットフォームとしては機能したと思う。
しかしすごいたくさんの出演者だった。
今回のメインキャストは過去にNODA・MAPに出演したことのある人が目に付くが、過去のイメージを引きずるところはなく、ソリッドな芝居だった。