東京芸術祭2024
EPAD Re LIVE THEATER in Tokyo 〜時を越える舞台映像の世界〜
岸田事務所+楽天団「糸地獄1990」
作・共同演出:岸田理生
演出:和田喜夫
2024.9.26.(木)
まず、15:30から東京芸術祭ひろばトランジットキッチンのパフォーマンスへ。クレジットは、asamicro+山中芽衣、北川結(モモンガ・コンプレックス)。ダンス系のパフォーマンスで、東京芸術祭の各演目のイメージなのかな。間近に迫ってきてドキドキ。約30分ということで残念ながら時間の関係で半分くらいまで。
16時からはEPADの映像上映へ。会場は東京芸術劇場アトリエイースト。座席数15席が半分くらいの入りだった。自分は当日券だったので、手数料もなく完全に無料。
この回の上映作品は、岸田事務所+楽天団「糸地獄1990」。岸田理生の作品だ。
昼は糸工場、夜は娼家の「糸屋」が舞台の妖しげな世界。糸繰り車と女たちがずらりと並ぶ。
詩的な言葉が饒舌に語られる。音声が良くなくて、あまり聞き取れないのが残念。
話が展開すると、母と娘についての芝居だった。母というものへの嫌悪感は当事者として非常にリアルに感じられ、鮮やかなとらえ方に息を呑んだ。
家という制度や規範は初演の1985年当時より緩くなったと思うが、描かれたものはきっと今でも普遍的だと思う。
湿度の高い濃厚な舞台だった。
ちなみに、映像も音声もかなり不鮮明で、映像酔いを防ぐために室内をほの明るくする配慮がなされていた。1990年の上演映像で、クレジットも入っていたので見せることを前提にしたビデオだと思うが、こんなに映像の性能は変化しているのか。家にある昔のビデオってもう見るに堪えないのかも?
映像より声が聞き取れない方に困難を感じたが、それでもストーリーが十分に追えるし名作だと思った。視聴の機会をいただいたことを感謝したい。
こちらも東京芸術祭2024のEPAD上映の感想です。