作・演出:野田秀樹、出演:松たか子、宮沢りえ、橋爪功ほか
1/11(日)ソワレをかたつむりと観た。D列でかなりいい席。
千年後の火星の話だった。主役の女優2人という贅沢な配役で、ソロのオン・ステージではないアンサンブルの良さを堪能。宮沢りえはいつもの宮沢りえの役だったけど、松たか子はその役の人だった。舞台装置は至って簡素で、コンドルズの扮するガタイの大きなロボット群、大学生のコロス(歌わないけど)も含めて、人で動かす舞台だった。ものがなくても全員が言葉と動きで世界を描き出せるのは演劇の至福を感じる。お得意の美しい叙情的な場面は控えめ。希望を高らかに歌える状況ではないということだろう。筋はSF的な設定にやや混乱が見られるし、基本設定はありがちなもの。一時期流行った核戦争後の世界ものを思い出した。それでも、文明批評の部分はくっきりと鮮やかだし、大きなスケールの話をしっかりと展開する確かさ、そしてなんといっても役者が良かったので満足だった。8歳の大倉孝二も微妙なくすぐり感で良かった。