波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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NODA・MAP「贋作・罪と罰」Bunkamuraシアターコクーン

脚本・演出・出演:野田秀樹、出演:松たか子古田新太段田安則ほか
12/29(木)ソワレで見た。かなえちゃんと、その友達と。今回の舞台はシアターコクーンの会場中央近くに作られている変形で、行ってみてびっくり。なんと中央真ん中、それもほかの客席より一列前なのだ。役者がすごく近くてまじまじと見ながらもどきどき、衣装や汗をじっくり見た。個人的には前回のすごい癒し、カタルシスの記憶が残っていたので、今回はあっさりという印象だけど、美しく重みのある芝居だった。その上で、今回はなんでクライマックスで同意に動員されないのかと思うと、時代背景なのかもしれないと思った。少なくとも犯罪と国などの制度が明白に区別できていた時には、罪を償うべきだという説得に深くうなずくけれど、どこまでが正義なのか分からないと、もしかすると殺人の正義の論理が正しいことがありうるのかもしれないとかすかに思う。まさにそれが問われる時代を舞台上でも設定していたわけで、どうなんだろうと考え続ける翌日なのだった。もう一回ドストエフスキーの原作読んでみようかなあ。
間近で見たからかもしれないけど、役者はみんなすごく格好良かった。この席くれた演劇の神様に感謝して今年の観劇は終了!