演出:ピーター・ブルック、原曲:ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、出演:ヴァンサン・パヴェジ、ヴィルジル・フラネ、アブド・ウオロゲムほか
3/25(日)15時の公演を観た。楽器はピアノのみで、90分に凝縮しているが、オペラだった。竹を操るだけが大道具のシンプルな舞台で、シーンも相当に刈り込んだのだろう。ピーター・ブルックの特徴とされる引き算の演出だった。一方で、話を楽しむにはベタベタの演出の方が分かりやすかった。オペラだと思ってストーリーを予習していけば違ったんだろうが、人物認識もいまいち不確かで、シーンのつなぎで迷子になっていた。軽やかなアリアは若々しい音で新鮮。ピーター・ブルック体験といったところだった。
初・彩の国さいたま芸術劇場は敷地が広く、建物もなんだか日本じゃないっぽかった。リハーサルで次の作品の役者たちが普通にいて、劇場の中に入らなくても劇が身近にあるのが魅力的。「地域に根差した」劇場というのはそういうことかもしれない。