波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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マレビトの会「声紋都市−父への手紙」東京芸術劇場小ホール1

作・演出:松田正隆、出演:宮本統史、ごまのはえ、桝谷雄一郎ほか
フェスティバル/トーキョー
3/22(日)マチネを観た。賛否両論盛んだった「クリプトグラフ」を観損ねたため、この機会に初マレビトの会観劇。確かに松田正隆の作風は随分変わった。実験劇の様相のある、テーマが先にある演劇だった。実際に作家が実家である長崎に帰って父にインタビューする映像も使われて、部分的にはとてもパーソナル。具体的なパーソナルなできごとが核にあるので、ある程度までは見失わないけれども、音も動きも複数かぶさっているので、混沌としてつかみどころのない感じがする。カフカの「父への手紙」や聖書のエピソードが分かると随分違うんだろうけど。パンフレットの配役表を見ても、全然観きれてないなあと思った。一方で、スクリーンの大きさと、ほのぼのとした会話は良かった。こちらをメインにして、架空の「喪の仕事」という側面を中心にした方が私には良かったかなあ。「クリプトグラフ」はどうだったんでしょう?