作・演出:坂手洋二、出演:円城寺あや、猪熊恒和、剣幸ほか
9/20(祝)昼公演を観た。チェーホフの代表作「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「桜の園」「三人姉妹」を夢幻能のような独特の形式の短編4本で見せる。裸舞台に近い舞台で、亡霊の視点から振り返るのが共通点。ストーリーは語られたり語られなかったり、有名な台詞もコラージュされたり。変わったチェーホフなのだが、初めてチェーホフが分かった気がした。大きな現代とつなぐ仕掛けよりも亡霊の語りそのものに。思い切って抽出されているからなのだろうが、亡霊の語りというトーンがチェーホフに合う気がする。現代能楽集はシリーズなので、ほかの作品が気になった。
生きていかなくては/なんのために生きるのか、というリフレインが重い、大人の芝居だった。円城寺あやが秀逸。少年でも少女でもある往年の魅力がそのままだった。