波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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ダムタイプ『AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix』(配信)

ダムタイプ『AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix』

ダムタイプ:高谷史郎、坂本龍一、古舘 健、南 琢也、濱 哲史
声:デヴィッド・シルヴィアン竹内真里亜、カヒミ・カリィ、ニキ

2023.4.17. ダムタイプ『AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix』を配信で観た。51分。

国際交流基金の"STAGE BEYOND BORDERS"という日本を代表する舞台芸術を紹介するプロジェクト内で無料配信されている。

特設サイトはこちら。

stagebb.jpf.go.jp

DUMB TYPE『AUDIO VISUAL LIVE 2022: remix』は、2022年にヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館で展示したダムタイプによるインスタレーションを、劇場でのライブ(映像上映)という形にリミックスしたもの。ヴェネチアでの劇場収録。

坂本龍一ダムタイプのメンバーとして参加している。世界各地の16名によるフィールド・レコーディングが使われていて、映像と合わせて地球のいろいろな場所のイメージを伝える。

もう一つ作品の核となるのが、1856年のアメリカの地理の教科書から抜粋された疑問文。作品概要のところにも引用されているが、地球や大陸から始まり、国の統治形態にも及ぶ。作品はこの疑問分に沿った構成になっている。

以下は自分の受け取ったイメージ&感想。初めは風や建物の影などの映像で、太陽、そして地球の自転を想像した。この段階ではシンプルで、世界を理解できているような感覚があった。

それが言葉とモールス信号が入ってくることで、理解するのが難しいと感じるようになる。

最後には画面はストリップ状に細断されぼんやりしてよく見えなくなった。

『「ポスト・トゥルース」時代におけるコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について思考を促す』とアーティゾン美術館の展示会のページに書いてあったので、原因とか思惑の詮索で見えづらくなった世界を表しているのだろう。

自分にはもっと具体的に、たくさんの情報で目の前のことに集中できなくなっている自分が見ている世界はこれだ、と思えた。意識しないと世界は見えない。

アピチャッポン・ウィーラセタクン『太陽との対話(VR)』

"STAGE BEYOND BORDERS"から坂本龍一参加作品をもう一つ。

『太陽との対話(VR)』はタイの映画監督アピチャッポン・ウィーラセタクンによる映像+VRの体験型作品で、配信では監督へのインタビュー+映像約7分、計17分で作品を紹介している。2022年10月国際芸術祭「あいち2022」で上演されたもの。

全体としてどんな感じなのかは分からないものの、映像と音を垣間見られた。

自然音と、不安感を掻き立てる音階のある音がエモーショナル。こちらの方が坂本龍一らしい感じがよく分かる。

2023年2月に立て続けに配信された作品がこの2作。ありがとうございました。