波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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「谷山浩子デビュー50周年記念コンサート フィナーレ」渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

出演:谷山浩子石井AQ斎藤ネコ、ジョニー(岡田純)

2023.4.21.(金)「谷山浩子デビュー50周年記念コンサート フィナーレ」を見に、渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールへ。

デビュー50周年の最後を飾るコンサート

1年前のデビュー50周年初めのコンサートはオールリクエストだったが、50周年フィナーレは代表曲を集めたTheアニバーサリーな感じのコンサートだった。

namiuchigiwa.hatenablog.com

周年コンサートだからか近年ライブの供給(←活動のこと)が少ないからか、一般発売のチケットは秒で蒸発し、見切れ席の追加発売で確保した。1枚ずつの販売だったため、今回は一人で参加。

見切れ席で少し安いのだが、なんと最前列。浩子さんまで4mくらい。おまけに見切れはゼロ。サイドのスピーカーの目の前だが、昔のロックライブのようにしばらく難聴になることもなく、逆にベース音など一つ一つの音がクリアに聞こえて良かった。

ステージが近いと集中力が上がるのか、それとも誰にとっても素晴らしいライブだったのかは自分には分からないが、ものすごくいいライブだった。

黄金の3人編成

この日のメンバーは、ピアノ&歌:谷山浩子、シンセ:石井AQ、バイオリン:斎藤ネコ、それに音楽ディレクターのジョニー(岡田純)がコーラスで3曲参加。

慣れたメンバーということもあるが、谷山浩子の曲に一番相性が良い編成だと思った。アレンジのメロディラインをバイオリンで増幅して味わい、かつ編曲に耳を持っていきすぎず、歌がよく届く。弾き語りより歌に集中できるというのもあるかも?(←不明)

歌詞がしっかり入ってきて一曲ずつかみしめた。歌詞の内容や曲の細かな部分まで改めて気付くところが多く、誤読も含めて勝手な発見が続々。

セットリストは代表曲+浩子さんが好きな曲で、代表曲といっても人気は分散しているので、「あの曲がない!?」的な思いはいろいろあった。ファンの間で人気だろうと思う曲を挙げていくと3時間じゃ全然足りない。さすが音楽活動50年。

『浩子の宅録』から「箱の中にいる」のカラオケもあった。ホールで聞くとちょっと不思議な響きという感想。

アンコール含め17曲の中でも、前半ラストの「きみの時計がここにあるよ」と後半の「よその子」が力のこもった歌だった。

浩子さん本人も好きな曲だそうで、逆に「海の時間」はなぜ不動の人気1位の曲なのか分からないとのコメントも。

でもこの日「海の時間」を聞いていたら人気の理由がよく分かる気がした。「世界中の誰ともつながっていないように思える」(「きみの時計がここにあるよ」)孤独感も、他者との間にある「全ての窓はあかない窓だ」(「よその子」)という孤立感も、ウミユリと一緒に「ぼくときみの境目」(「海の時間」)が溶けてシンプルになっていく。分かりやすい励ましソングではないけれど、リアルで温かな手触りのある癒やしの曲なんだと思う。

歌は完全に本調子。この日は治療中のAQさんの方が心配だった。

皆様が元気で、60周年ライブも70周年ライブも見られますように!