作:バム・ジェムス
演出:栗山民也
出演:大竹しのぶ、梅沢昌代、彩輝なおほか
2022.3.5.(土)マチネで「ピアフ」を観た。イープラス貸切の回で、集客に苦戦しているかと思いきや満席だった。
「ピアフ」は5回目の上演。前回は当日券で敗北し、今回初めて観た。チケット代12,500円は自分の感覚では高いが、最近のチケット相場ではやむを得ない。
音楽劇というのだろうか。歌の比重が芝居と同じくらい(イメージ)。主にピアフがステージで歌う歌で、ほかの人が歌う曲も数曲ある。竹内將人が歌った「帰れソレントへ」は圧倒的に良かった。
大竹しのぶの歌は、ピアフが歌っている以外のなににも見えない。紅白とかで見ると本人の歌として見るのでピンと来なかったが、役のピアフが歌う歌。低音が響いて素晴らしい。台詞では生きるあがきの悪態と恋人への甘えばかりなので、余計に歌がピアフのコアとして響く。
エディット・ピアフの人生を描く芝居で、コロコロ変わる恋人の若い男たちは似たように見える。女たちは個性がくっきりして芝居も面白かった。
この時代(20世紀半ば)の話らしく、クスリで身を滅ぼす話なのだが、クスリでめっきり老け込んだシーンの衰えぶりが遠目でも見て取れた。すごすぎる。演技でそこまで変えられるのか。
コロナとかなかったらアンコールで数曲歌ってほしいところだが、それはなし。
多分観客全員が「水に流して」を口ずさみながら劇場を出ているだろうと想像すると不思議な一体感だった。上演時間2時間半、休憩込み約3時間。
舞台を観た後でアルバムを聞くと、ピアフをもう一度生き直すような感覚で、おすすめです。