作・演出:マキノノゾミ
出演:那須凜、財木琢磨、石川湖太朗ほか
2022.2.20. 「モンローによろしく」をStreaming+の配信で観た。
Makino Playというマキノノゾミが過去の作品を改めて上演する企画のvol.2。
座・高円寺で上演予定で、自分もチケットも買っていたのだが、出演者の新型コロナウイルス感染?検査?で中止。唯一上演できた初日の映像が配信された。
元はM.O.P.で上演された作品で、西洋風のレトロ感を感じさせるゴージャスな芝居。
配信は気が散りがちなのが難点だが、こういう日常生活から遠い物語にどっぷり引き込む作品は配信にぴったりだった。
物語の舞台は1941年から1950年頃を中心としたハリウッド。
前半の若さと勢いに溢れる野心的な若者たちはとても魅力的だった。
後半、物語はハリウッドの赤狩り(レッドパージ)の話だということが見えてくる。
知人の告発を迫り、生活を奪う行為は、まさにヨーロッパの16世紀頃の魔女狩りそのもののようで、いつでもどこでも起こりうるのが恐怖だった。
主役のスター女優役(那須凜)が素晴らしい。マキノノゾミ演出ということもあり、完全にM.O.P.におけるキムラ緑子と瓜二つなのだが、この華も色気もあり崩れもある女性というのは、なかなか目にしない存在感だと思う。それとも戯曲と演出である程度までできるんだろうか。
舞台にいないけど、そこにいることになっている子どもの扱いが面白かった。途中まで妄想?とも思ったけど、ネタも織り交ぜて、これぞ演劇って感想。演劇が一つの世界を立ち上げる力を感じさせる舞台だった。