2019.8.17.(土)
会場は、GINZA SIX地下3Fにできた観世能楽堂。正面だけ奥行がある長細い空間に驚いた。いびつな形で狭く感じるが、客席キャパは約500席と大きい。ビルの中の能楽堂はどこも設計に苦労を感じる。満席だった。
脇正面は舞台に非常に近く、演奏が真横からつぶさに見えるので、B席だけど非常にいい席だった。
演目は次の通り。
1部:
・祇園精舎(冒頭のみ) 須田誠舟(薩摩琵琶)
・巴御前 川嶋信子(薩摩琵琶・鶴田流)
・那須與市 鶴山旭翔(筑前琵琶)
・小敦盛 須田誠舟(薩摩琵琶)
2部:
・壇ノ浦 上の3人+西川浩平(横笛)
1部と2部の間に15分の休憩を挟み、正味2時間強。琵琶奏者3人がそれぞれ流派が異なり、琵琶といっても楽器も異なる。奏法も異なり、音色も違う。声のトーンが楽器とセットで合っているので、どちらを合わせているのだろうか?
2部の「壇ノ浦」は、「連れ平家」の再現で、現代の作品。琵琶で語り分け、横笛が曲としてつなぐ。
「小敦盛」も後世(といっても室町時代か安土桃山くらい)の作品で、選曲からも、琵琶法師が語った平家物語の曲は残ってないんだなあと、よく理解できた。
上原まりの追悼公演ということで、舞台上には上原まりの琵琶が飾られ、企画した須田誠舟の解説の端々に思い出話が語られたが、ウェットにならずに、平家物語の曲を演奏するという会だった。客席も琵琶の稽古をしている人を中心に、私のようにたまたま来た人など、いろいろだったようだ。
平家物語好きにとっては、平家物語の話が普通に語られるワンダーランド。非リアルがリアルの世界を塗り替えていく感じは、アニメヲタが2次元の世界で楽しく暮らすのと同じ感覚なのかな。聖地巡礼したくなった。
GINZA SIX前の中央通りは歩行者天国。この後、夕方に日陰になったら人が増えた。