波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

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松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部 vol.1「命、ギガ長ス」ザ・スズナリ

作・演出・出演:松尾スズキ、出演:安藤玉恵、効果音:吹越満

2019.7.12.(金)松尾スズキプロデュース 東京成人演劇部 vol.1「命、ギガ長ス」のマチネを観た。指定椅子席と自由桟敷席、当日券の客も入って、超大入。ザ・スズナリのキャパを考えたら当然か。よくチケット取れたな、私。平日昼間なので、年齢層高め。松尾スズキの客って自分も含めて高年齢なんだな。

感想は誰もが「安藤玉恵、すげえ!」だろう。松尾スズキの演技が意外に引き出しが多いのは見たことがあるし、多分にそれを期待して観に来たのだが、多彩な場面を同じレベルで張り合って、見応えのある2人芝居だった。

認知症やアル中のダメダメな感じを強調した芝居も、トレンディードラマ風メロドラマも、はっきり漫才のコント風の部分などもあって、いろんな味がある。飽きる間がない100分だった。

内容的にも、高齢者が引きこもりの面倒を見る8050問題を扱うが、虚実入り交じって、人の数だけ生活の姿があるというのを、描いてみせた。すごく多彩な芝居。本気の歌と踊りもあるとは思わなかった・・・。観る側はまったく力が抜けたまま観る芝居。だけどいろいろなところを刺激されたような。

吹越満の声による効果音というか説明と擬音(「ひしゃく、とん」とか)が、小道具代わりにもなり、3人目の出演者のような存在感も醸し出している。温かみもおかしみもあって、松尾スズキのちょっと妖怪っぽい(?)舞台美術を温かい方向に見せるのにも効果を発揮している気がする。

小田急線の線路がなくなった下北沢。とりあえず駅周辺の見た目は違って戸惑うけれど、変わったような、変わらないような。スズナリが変わらなくて嬉しかった。