波打際の舞台日記

音楽ライブ・演劇を中心に、舞台の感想・意見などを書いています。

※当ブログでは商品等の表示にアフィリエイト(広告)プログラムを利用しています。

モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」〜庭師は見た!〜新演出 東京芸術劇場コンサートホール

2020年上演のダイジェスト映像がYouTubeにて公開中。なんと34分、たっぷり!


指揮・総監督:井上道義
演出:野田秀樹
管弦楽読売日本交響楽団
出演:ナターレ・デ・カロリス、テオドラ・ゲオルギュー、小林沙羅ほか

2015.10.25.(日)3階B席で観た。

モーツァルトのオペラは初めて。
物語は前近代の下世話な色話で構成としてもこなれない。そんなダメ話を歌っているのにメロディはむやみと美しいという感想。
作曲家としては確かに天才かもしれない。
オケも歌手も良かった。

野田秀樹の演出の方は、舞台を長崎にして、日本語・原語ちゃんぽんにしたところが出色の出来。
外国人歌手に絡む部分はイタリア語で、日本人同士のシーンは歌も日本語。
歌詞と字幕の日本語は無理なく良くできていて、自然に歌い上げるのはワークショップの成果でもあるだろう。

小林沙羅は可愛く魅力的な小娘を造型。ほかの人の役がアクが強いだけに引き立つというか……。

テオドラ・ゲオルギューの独唱がこれぞアリアという感じだった。
いかにも感(それは通俗的な満足感でもある)は原語である必要があったかな。

ラスト等、演出としてはやり過ぎという感想を持つシーンもあった。オペラは音が決まっているから、あまり潤色すると苦しいかな。

面白い企画だった。