作:飯島早苗
演出:鈴木裕美
出演:安西慎太郎、鈴木勝大、川原一馬、加治将樹
2019.9.5.(木)「絢爛とか爛漫とか」を友人と観た。ご招待に応募したら、別の日の招待券が届いて、なぜか演劇ダブルヘッダーに。
出演者4人は「テニスの王子様」や「ハイキュー!!」などの2.5次元に出ている20代の役者。正直まったく縁がない。初演した自転車キンクリートの方が情報としては知っているが、こちらも見る機会がなかった。
鈴木裕美が演出する芝居は観たことがあって、男性の色気がすごく魅力的に引き出されていた。今回のチラシはまさにそんな雰囲気で、それが応募したきっかけ。
DDD青山クロスシアターは200人弱の小さな劇場。空間がゆったりしている。
昭和初期の文学を志す若者が文学や進路について屈折しながらも選び取っていく群像劇。同じ部屋を舞台にした春夏秋冬4場のセリフ劇で、ケレン味なしの直球勝負だった。
演出は若さを前面に出して、声や動きの勢いや一生懸命さで勝負。一本調子でもうちょっとバリエーションが欲しい気もしたが、若者の群像劇なので、ストレートな感じが合っているのかもしれない。
キャラクター設定などにくすぐりの要素もあり。バイオリンの生演奏は凄まじかったが、下手さの度合いが絶妙にちょうどいい。あれキープするのは難しかろう。
終盤に劇中で語られる小説が出色。オリジナルなんだろうか? この小説のストーリーを伝えるために構成された芝居だと思えた。
俳優は、着物や三つ揃えのスーツに身を包んで、レトロな色気も加わって期待通り魅力的。イケメン俳優たちはびっくりするくらい小顔だった。
出演者のファンにとってはキャパが小さいと舞台が近くて嬉しいと思うが、一般論でいうと、小屋の大きさとチケット代7800円が釣り合わないように感じた。チケット代は最近値上がりしすぎ。お気に入り以外の芝居をトライするには、チケットが高くて躊躇することが増えた。
上演時間は2時間10分。多くの日でゲストを迎えてアフタートークがある。
演劇を見慣れていない人にも見やすい内容だし、若者の等身大の煩悶を描くので、若手が演じるのにいい作品だと思った。時代っぽさを出すのが難しいが。